いのまたむつみさん…、彼女のイラストは絵を描く時の、特に挿絵を描く時の指針です。
小学六年生の頃でしたでしょうか、本屋さんで何巻か平置きをされた『風の大陸』の表紙を見た時に心が震えた事を今も覚えています。
初期の頃のあの繊細な線、色合い、何より描かれた人物の美しさ。
なのに力強い。
本当に一目見て心を奪われてしまいました。
それは今も変わりません。
彼女がお亡くなりになった事は公表された何日か前になんとなく気が付きました。
Xとか検索して、あ、生きてらっしゃると思い直しましたが、昨日トレンドでお名前を見つけた時に色々察しました。
なので私に非常に影響を与えた存在ではありますが、お亡くなりになられた事に対して驚きはありませんでした。
事前に心にクッションを与えられていた感じでしょうか。
いのまたむつみさんには感謝しかないです。
事前に心にクッションを与えられていたのは今回だけではありません。
小澤征爾さんの時もそうでした。
お亡くなりになる2週間前くらいにYahooニュースで私、死亡記事を見たんですよ。
小澤征爾さんの。
で、皆さんのコメントを読もうとしましたがコメントは無く、Xでも検索しましたが何も出て来なくて。
それで、あぁ、皆さん落ち着いていらっしゃる、オケが好きな人は成熟した心を持ってるんだな、という感想を持ったのを覚えています。
ですが数週間後に改めて訃報をメディア各種で目にした時、私は思わず母に聞いてしまいました。
「小澤征爾さんって数週間前にもお亡くなりになってなかった?」
と。
すっごい変な顔をされましたけど。
これは昔話ですが、21世紀に突入した元旦の深夜番組で『20世紀の巨匠達』みたいな20世紀に有名だった指揮者が指揮をしているのを流した番組があったのです。
白黒の映像でバーンスタイルとかカラヤンとか。
イケメンが続く中である時こぢんまりとしたアジア人の若者が指揮している映像に変わりまして。
お正月の真夜中だったので音を非常に小さくして観ていたので曲は分かりませんでしたが、汗を撒き散らしながら情熱的に指揮し、鋭い目線を一瞬向けるだけで一部パートの音を制するその様子はまさに鬼神そのもの。
歳を重ねられた当時の顔とはかなり違っていたので一目では分かりませんでしたが、その情熱的な指揮で小澤征爾さんの若い頃だと気が付きました。
私にとって「魅力的で目が離せない」という状態を初めて味わったのが、若い頃の小澤征爾さんの指揮をしている姿でした。
取り留めの無い事をつらつらと書き連ねましたが、存在が無くなっても与えられた私の中の基礎となっているものは消えたりはしないんだなとしみじみしております。
そんな感じで、次回はのんびり6日後にお送りします。
それではよい火曜日を〜。
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by garoumusica
| 2024-03-19 07:00
| つれづれ
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