伊奈利と稲荷、狐と空海、そして秦氏 その2。

本日は昨日の記事の続きです。




昨日のラストの文章。

「諸説ありますが空海が古来からの稲荷信仰に荼吉尼信仰をこじつけて、荼吉尼法というのを行って狐神を稲荷と称して勧請したのが「稲荷=狐」の始まりなのだそうです。」を掘り下げてみたいと思います。



まず「古来からの稲荷信仰」というのを調べてみます。

古代には「春に山の神が里に降りてきて田の神となり、秋に収穫が終ると山に帰る」という信仰があったそうです。

で、狐には山と里を行き来するという習性があった為、狐を「田の神様」として扱っていたのが、後に狐が稲荷の使いとされるようになった、という事らしいです。

なんでも宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)の別名が御饌津神(みけつかみ)であり、みけつの「けつ」が狐の古名「けつ」に想起され、誤って「三狐神」と書かれしまったからだとか・・・。

えー・・・(´Д` )

まぁ伝承ってそんなものなのかも。。。

そういう事で、古代における狐に対するイメージというのは、「田の神の化身」だとか「神の御使い」という喜ばしいものだったのだそうです。



伏見稲荷大社のある稲荷山(伊奈利山)には、秦氏がこの地に定住する前から伊奈利社は存在し信仰を集めていたという説もあるそうです。

なんでも弥生時代からとか。

その頃は上に書いた「春に山の神が里に降りてきて田の神となり、秋に収穫が終ると山に帰る」という信仰を基にした儀式を行う場だったのでは?という事のようです。

後に秦氏が伊奈利山のある地域に定住し、伊奈利山の祭祀権を掌握。

更に空海の真言宗と結びつくことによって飛躍的に発展していったそうです。



さてさて、神の使いの狐とは別に「妖狐(ようこ)」という存在もいます。

平安時代初期(822年) に書かれた『日本現報善悪霊異記』(にほんこくげんほうぜんあくりょういき)略して『日本霊異記』という奇跡や怪異についての話をまとめた書に、妖狐に関する話が載っているそうです。

(※ちなみに古事記が712年、日本書紀が720年、空海が唐から帰国したのが806年です。)

『日本霊異記』にある妖狐の話は「狐を妻(め)として子を生ましめし縁」(=「狐を妻にして子供を産ませた話」)というタイトルで、どんな話かというとまぁタイトル通りなのですが、



ある男の人が自分の細君(さいくん=妻)に相応しい人を探していたところ、広野の中で美しい女性に出会います。

男は女に声を掛け、家に連れて帰って祝言を上げ一緒に暮らす事になりました。

やがて細君は身ごもり一人の男の子を産み、同じ頃その家で飼っていた犬も子を生みます。

ところがこの犬の子がいつも細君にいきり立ってにらみつけ、牙をむき出しにして吠え立てるので細君はひどく怯え、良人(りょうじん=夫)に仔犬を殺すよう頼みますが良人は出来ませんでした。

そんなある日の事、犬に吠えられ咬みつかれそうになった細君は、驚いて正体を現し狐となって垣根の上に登ってしまいます。

そんな細君を見た良人、狐に戻った細君にこう言います。

「お前と私とは子供まで作った仲じゃないか。私はお前を忘れられない。せめて毎夜寝床に来て一緒に寝てはくれないか」

そして細君は毎夜良人の寝床に来るようになりました。

これにより、「来つ寝」=「きつね」となりましたとさ。



うーん、妖狐と言っても特に悪い印象は受けないですかね?

それに狐である奥さんを受け入れる旦那さん、懐が深いです。

それにしても日本人って、種族を超えた愛の物語って好きですよねぇ。

1193年経った今でも作られていますから。

ところでこの狐が人、特に女性に変化するというのは元々中国から移入された概念なのだそうです。

なのでこの話が古来から日本にあった話かどうかはちょっと疑問みたいです。



こんな感じで特に悪いイメージが見受けられない狐さん、空海さんによる荼吉尼天(だきにてん)の眷属(けんぞく)扱い問題により、ちょっとイメージが変わってきます。

長くなったので明日も続きます。

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うちのきつねっ子。


musica 「今日も終わらなかったです・・・」

スーさん 「良い勉強になろう」


*☆彡・.。*☆彡・.。*☆彡・.。*☆彡・.。*☆彡


それでは本日も良い一日を~。


おーくにさん 「昨日は昨日、今日は今日」

m 「どうしたんですか?」

お 「年末になると飲み会がちょっと・・・」

m 「いや、まだ年末は早いですよ」




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Commented by いよん at 2015-12-02 22:46 x
はじめてコメントさせていただきます。いよんと申します。
いつもmusicaさんのブログでほんわか( ´ ▽ ` )させていただいてます。

実は私の嫁ぎ先では、今でもリアルに「春に山の神が里に降りてきて田の神となり、秋に収穫が終ると山に帰る」という信仰があります。
山の神様を祭る神社が家の近くにあって、集落の子供たちが山の神様に見立てた(?)木の人形をもって家々を周り餅やお金をもらいます。(ちょっとハロウィンっぽいですね)これは山の神様の勧進と呼ばれていて、毎年12月第二日曜日にしています。(ホントは12月12日)
狐ちゃんが、田の神様の化身というお話をはじめてお聞きして、とても参考になりました。ありがとうございました。
きつねっ子ちゃん、かわいいです(*´∀`*)
Commented by garoumusica at 2015-12-03 16:31
> いよんさん はじめまして、コメントありがとうございます。

ほ〜〜〜!!!古代の信仰が今なお継承されているってすっごいですねぇ・・・( ´ ▽ ` )ノ
今みたいな日本神話に出てくる神ではなく、自然そのものへの畏敬の念というのがまた良いですねぇ・・・(。-_-。)

ほんとハロウィンっぽくて面白いです。
えっと、山の神さまが山に帰る前に集落の人たちが、山の神の依り代の人形・子供にお礼を渡すって感じなのですね。山の神さまは感謝の気持ちとお餅の気を貰い、子供達はおこぼれに預かる。う〜ん、winwin☆

興味深いお話を聞かせてくださってありがとうございました!
うちの自慢のきつねっ子です(`・ω・´) もちろんヘビっ子もw


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by garoumusica | 2015-12-02 05:00 | 神社巡り | Comments(2)

目に見えない厳ついおっさんと絵描きの会話。それから大変申し訳ありませんが、本サイト内の画像、写真の無断転載・転用を禁止させていただいております。


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