稲田姫物語 高天原編 オロチ退治前日の話 その9。

本日も稲田姫物語の続きです、が、なんだか調度良い日本語が思い浮かばなかった部分が多くあって、おかしな所が多いです・・・。

まぁ、ドンマイって事で (ノ)’∀`(ヾ)




「お前はこれから太陽神として生きよ」

スサノオのとツクヨミがアマテラスの発したその言葉の内容を理解出来ずにいると、銅鏡の中に佇むオモイカネが叫んだ。

「なりませぬ!」

(・・・『なりませぬ』?)

ツクヨミはその言葉に違和感を覚え、思わずオモイカネの映る銅鏡を見た。

するとオモイカネもほぼ同時にツクヨミの方を見た。

そして視線が合うや否やオモイカネは目を逸らした。

(『なりませぬ』という事は、姉上の仰っている内容をこの男は知っているという事か・・・)

ツクヨミはこの男が己の知らぬ姉弟の事を知っている事に苛立ちを覚えずにはいられなかった。

『姉上・・・、今なんと仰いました?』

スサノオがようやく口を開いた。

アマテラスは一瞥もせずにツクヨミの顔を掴むと、その顔を己の身体から勢いよく引き剥がした。

ツクヨミはその痛みで声にならぬ声を上げながら、顔面を両手で覆う。

アマテラスはようやく解放されたその身体を脇息にもたれ掛けさせると、頬杖をつき再度スサノオに言った。

「これからは太陽神として生きよ、スサノオ」

『姉上、一体何を言って・・・』

スサノオは己の頭の中が白くなっていく様をありありと感じていた。



クシナダの手を握るスサノオの手が微かに緩んだ。

クシナダはスサノオの顔を見上げると、虚空を見つめるその横顔が心なしか呆然としている様に見える。

(何かあったのかしら・・・)

そのスサノオの様子にクシナダは一抹の不安をその胸に抱かずにはいられなかった。

しかしクシナダが今すべき事はただひとつ、スサノオの邪魔をしない事だ。

スサノオに声を掛けたいのは山々だったが、その思念を乱す振る舞いはしてはならない。

そう己に言い聞かせる。

クシナダは何の役にも立てず、ひたすら寄り添う事しか出来ない己を苛立たしく思った。

だが、今はそれに専念するしかない。



スサノオはクシナダから流れ込む清らかな気を感じ、辛うじて平静を保つ事が出来ていた。

そして呼吸を整えると、アマテラスに言った。

『姉上・・・、私は姉上の仰っている事の意味が分かりません』

太陽を司るという役目は、父であるイザナギがアマテラスに与えたものだ。

その太陽神としての役目を己にせよと言うのは、一体如何なる事なのか・・・。

アマテラスから引き離されたツクヨミは、二人の様子を固唾を呑んで見ているオモイカネの様子にさり気なく目を光らせながらも、二人の会話の様子を見守っていた。

「スサノオよ、お前は自分の名に違和感を覚えた事はないか?」

『私の名に・・・』

スサノオには思い当たる節があった。

父が名付けた姉のアマテラスと兄のツクヨミの名は、それぞれに与えた役を連想させるものだった。

しかし己の名はどうだ?

父には海を司る様言われたが、己の名は海を連想させるものではない。

それに加えスサノオが生まれる以前に既に海神は存在していた。



「お前の名は守り名だ」

アマテラスは言った。

『守り名?』

「守り名、とは少し違うかもしれぬな・・・。戒めと言った方が良いか。お前のその名はお前が克服すべき性質を表している」

『克服すべき性質・・・』

スサノオはアマテラスの言葉を繰り返す。

「『凄まじき男』それがお前だ」

『凄まじき?』

「凄まじき妖力、凄まじき破壊力、凄まじき影響力。挙げればきりが無いが、お前は我々と比べると何もかも桁違いだ。まさしくこの高天原を統べるべき王者と言えよう」

『そんな事は・・・』

スサノオは戸惑いを隠せなかった。

何かにつけ姉と兄に迷惑を掛けてきた己には、王者の自覚もその片鱗も無い。

「だがその凄まじき力は諸刃の剣だ。今までお前のしでかしてきた事を省みれば明らかであろう」

スサノオは己がしでかしてきた狼藉の数々を思い浮かべ、胸を痛めた。

「お前は特にその性質が問題だった。凄まじく荒々しきその性質。その上お前は己を抑えるという事を知らなかった。理性によってお前の妖力をコントロールしなければならぬのに、お前はその性質故にその妖力を悪しき方向に用い、様々なものを破壊してきた」

『・・・』

「父上はお前をこの世に生み出されたその瞬間に、お前のその性質を見抜かれた。お前の存在はこの高天原の幸にもなれば禍ともなる、と」

スサノオはひたすらアマテラスの話を聞いていた。

「そこで父上は策を講じられた。お前の真の名を伏せ、その性質の戒めとなる様言霊を逆に利用し、お前の性質が薄められる様願いを込めた名を付けられた。それが・・・」

『スサノオ・・・』

「そうだ。しかしまぁその言霊の妖力により、その力を抑えるどころか増す方向に動いたと言えよう。父上の失策だ」

アマテラスは鼻で笑った。

「だがお前はクシナダと出逢い、ようやくここに来て己を制御出来る様になってきた。お前のその最も克服すべき性質を」

スサノオはクシナダの手を握る手に力を込めた。



「今日お前と話をし、私はお前に真実を伝えても大丈夫だろうと確信した」

アマテラスは居住まいを正すとスサノオをまっすぐに見据えた。

「スサノオよ、お前は父上がどこを清められた時に生まれた子だ?」

『鼻にございます』

アマテラスは小さく笑った。

「そうだ、鼻だ。だがそれは父上の言葉遊びに過ぎぬ」

『言葉遊び?』

「あぁ。スサノオ、お前は我々の弟ではない。端(はな)に生まれた者、我らの中で初めに生まれたのがお前だ。つまりお前は我々の弟ではなく兄だ」

『兄・・・?』

「兄・・・」

今まで黙って聞いていたツクヨミが思わず呟いた。

「ツクヨミよ、お前はおかしいと思った事はなかったか?なに故女である私が太陽を司っているのか」

「まさか・・・、私は今迄一度たりとも疑った事はありません」

それは本当だった。

ツクヨミはこの世に生み出されてからというもの、偏に太陽神であるアマテラスを支える役にひたすら邁進してきた。

その姉を疑う事など一度も無かった。

今日という日を除いては・・・。

「森羅万象は陰陽に基づき形成されている。例外は無い」

「ですが・・・、陽中の陰とも申しますし・・・」

アマテラスはツクヨミの言葉を遮る。

「我らは左右に分かれ、その中心に在るものを支える役を担い生まれた。その中心に在るものとは何だ?」

ツクヨミは己の顔を撫でながら答えた。

「左右に分かれた目の中心にあるもの、鼻根・・・、鼻・・・」

この姉と弟が支えるべき人物、それは、

「スサノオ、・・・兄上。兄上の本来あるべき姿、それは太陽神だ」


明日も続きます。


☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆


musica 「今日の内容は2日位前に落ちて来たものですが、ぶっちゃけ文字にしたくなくて省こうかと思った内容です」

スーさん 「この物語は古事記のパラレルワールドだろう?気にする事はあるまい」

m 「んー、うちのスーさんって自称スーさんじゃないですか」

ス 「共通の知り合いも居ろう?」

m 「そうですけど。でも本人がスーさん礼讃ぽい事を言い出したら危険だなって」

ス 「高天原編はツクヨミの担当であるし、まして私は君に『我を礼讃せよ』等と言った事は無いぞ?」

m 「そうですけど・・・」

ス 「どちらかと言うと君に痛罵されてるの方が近かろう・・・(´・_・`)」

m 「・・・(´・ω・`)」



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Commented by とーり。 at 2016-02-10 14:12 x
パラレルワールドと理解した上で、ですが。

日本神界のとんでもない1ページに立ち会っている気分です(O_O)
続きが気になります・・・
Commented by garoumusica at 2016-02-11 04:26
> とーり。さん コメントありがとうございます。

なんか色々な解釈できそうですよね~。
めんどいから放っておきますがw
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by garoumusica | 2016-02-10 05:18 | 稲田姫物語 | Comments(2)

目に見えない厳ついおっさんと絵描きの会話。それから大変申し訳ありませんが、本サイト内の画像、写真の無断転載・転用を禁止させていただいております。


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