稲田姫物語 妖しき剣編 その1。

ハイ!という訳で、昨日稲田姫物語の1話目の挿絵を描いていたら、なんだか物語の続きを書きたくなったので、本日はオロチ退治後の話です。

と言っても、今日からお絵かき曜日なので、今回の物語は不定期掲載という形で進めたいと思います。



ー 妖しき剣編 ー


スサノオは切り刻んだオロチの肉片に火を点けた。

強い酒をたんまりと飲ませていたせいか、それは激しく燃え上がり、すぐさま炎の柱を作り上げた。

(この炎の勢いならば、待避している者達の場所からもよく見えよう)

この炎はオロチを退治した、クシナダの命が救われた合図でもあった。

炎を見つけ喜んでいる皆の姿を想像し、スサノオは微かに頬を緩めた。

スサノオはしばらく満足気にその炎を見ていたが、不意に険しい表情を浮かべ、そしてひとつ溜息を吐いた。

愛する姫君をオロチの手から護るという、命を賭けた大仕事を終えた大男には似つかわぬ溜息。

その溜息の理由、それは、アマテラスに頼まれていた妖しき剣を、オロチの肉体から見つけ出す事が出来なかったからだ。

しかし、スサノオは妖しき剣が眠っていそうな場所には見当がついていた。

だが、それを取り出す気にはなれそうもない…。



スサノオは燃え盛るオロチの肉片とは別の、もうひとつの肉の塊の方へと歩いて行った。

もうひとつの肉の塊、それは、スサノオがオロチの巨大な胴体を切り開いた時に出てきたものだった。

それは何十、いや、百は超えるかもしれない数の人間が重なり合い、同化し、ひとつの塊となったものだ。

苦悶の表情を浮かべる者、または無い目を見開いている者、そして顔の表面が残されていない者。

それらが表面に浮かび、そして蠢く、肉の塊だった。

恐らく、オロチの犠牲となった者達の成れの果てだろう…。



通常であれば食した物は捕食者の肉となり、それ以外は糞尿となって排泄されるのが道理であろうが、オロチの犠牲となった者達はその体内に無残な形となって残され、魂すら解放される事なく留まり、そしてその怨念がオロチの生命力となっていた。

(無残な…)

豪胆・豪傑そのものであるスサノオでさえ、この異様な塊を目にした時には狼狽し、そして胃のむかつきを覚えた程だ。

そしてこの塊の中にクシナダの犠牲となった姉君達も含まれているのだと思うと、なんとも言えぬ気持ちになった。

アマテラスの言う通りにオロチの体内に妖しき剣が実在し、そしてその体内から剣が見つからなかった事実から推測すれば、剣はこの犠牲者の塊の中に有るのだろう。

そして恐らくは、持ち主である犠牲者の手に握られたまま…。



続きの掲載日は未定でっす☆



☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;;:**:;;;:*☆


それでは本日も良い1日を~。

musica 「ねぇスーさん、昨日私、気が付いたんですけど」

スーさん 「うむ」

m 「私、抱えてるものが多過ぎじゃないですか?稲田姫物語、挿絵、おっさんsの絵、お守り作りに伴う彫金、CADの勉強・・・」

ス 「古代氏族の勉強が抜けてるな・・・。それから奈良旅の報告」

m 「気が付いたらえらい事になってますよ?」

ス 「今まで気が付かなかったのだから、気にしなければこなせるさ」

m 「そういうもの~?」

ス 「そういうもの。目の前にあるすべき事を淡々とこなしていけば、なんて事無いさ」

m 「・・・」




[PR]
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by garoumusica | 2016-09-01 05:00 | 稲田姫物語 | Comments(0)

目に見えない厳ついおっさんと絵描きの会話。それから大変申し訳ありませんが、本サイト内の画像、写真の無断転載・転用を禁止させていただいております。


by musica