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稲田姫物語 妖しき剣編 その2。

昨日、前回作った新しいワイヤーペンダントに使用する、正しい太さのワイヤーが届きまして。

シルバー製のではなくてらくまくワイヤーなんですけど、今までに購入したアーティスティックワイヤーとか沢山あるので、それらを使って技術向上の為の練習をしようと思ったのです。

で、昨日はお絵描きの日のはずですが、正しい太さのワイヤーが届いたのでついついワイヤーペンダントを練習しちゃった訳であります。

まぁ、3回ほどチャレンジして気に入らない出来だったので、全部捻り潰しましたけどね・・・。

残ったのはワイヤーの残骸と肩と背中の凝りだけ・・・。

という事で、時間が無いのでさっさと記事に出来る稲田姫物語の続きを書く事にします。




本来であればこの塊を切り刻み、アマテラスに献上する剣を探し出すべきであろう。

だが、スサノオには到底出来る事ではなかった。

(無念の死を遂げたもの達に、これ以上の侮辱を与える事が出来ようか・・・。

それにこの塊の中にはクシナダ姫の姉君達もおられるのだから)

そしてふと思う。

(以前の己だったら、如何したであろうか)



クシナダと出会う前の己ならば、当然の如くこの犠牲者の塊に刃を向けたのではないだろうか。

激昂に任せ、己に親切にしてくれた者さえも簡単に殺めた身だ。

オロチに喰われ、本来の姿を失った者達を切る事など造作も無いはずだ。

だが今の己はどうだ?

死者に刃を向ける事にこんなにも躊躇している。

ひとりのか弱き乙女とたった数日接しただけで、己の中に死者すら慮る事の出来る程の情が生まれているではないか…。

たった数日でこれ程まで変化した己だ。

これからクシナダと共に歩む長い長い生の中で、起こるであろう己の変化を想像すると気が遠くなる思いがする。

(きっとこれから多くの事を悩む事となるのだろう、愛する姫故に)

スサノオはオロチを燃やす炎に照らされた頬に、苦笑いを浮かべた。

(何にせよ、最優先はクシナダ姫だ。姉上には剣は見つからなかったとして諦めてもらう他あるまい)

スサノオはアマテラスに「見つからなかった」と報告する際に、己の身に起きるであろう事を案じながらも、妖しき剣の為に犠牲者の塊を切り刻む事を諦めた。



(しかし…)

と、スサノオは愛する姫君故に、新たな考えに耽始めた。

(この様な成れの果てを、果たしてクシナダ姫に、そしてアシナヅチ、テナヅチに見せても良いものだろうか?)



本来であればクシナダのもとに、両親のもとへと帰してあげる事が筋だろう。

この土地独自の死者への弔いもあろう。

だが、クシナダにこの様な醜い化け物の姿に成り果てた愛する姉達を見せても良いものか。

それよりも、目に触れる前に灰にしてしまった方が残された者達の為ではないだろうか。

オロチと共に燃えてしまったとして、いや、この塊が存在した事は己の胸だけにしまっておいた方が良いのではないか…。

そう考えたスサノオは、己の手によって犠牲者の塊に火を点ける事にした。



(・∀・)____________☆ёйd★____________(・∀・)



それでは本日も良い一日を~。

musica 「クシナダを愛したが故に色々と悩むようになってしまったのですねぇ、スサノオ君は」

スーさん 「人の心を慮る事が出来るようになった訳だね、彼は。今までいかにちゃらんぽらんに生きて来たかがよく分かろう」




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by garoumusica | 2016-09-02 05:04 | 稲田姫物語③ 妖しき剣編 | Comments(0)

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